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第1章 車椅子伯爵

馬車で長時間揺られ、やっと到着したロレンス邸。
漫画に出てきそうなキラキラして迷ってしまいそうな豪華で大きなお城だ。

使用人たちが出迎えてくれる。
執事服を纏った初老の男性が
「長旅、お疲れ様でした。ロレンス家へようこそ」

「ありがとうございます。レリアナと申します。これからよろしくお願いします」

「バンディット様は多忙のため、執務中でございます。夜8時過ぎに自室へお越しくださいと仰せつかっております」

「…わかりました」

城中を案内され、自室へ通される。
没落貴族の私の家とは違い自室さえも、シンプルながら物がいい家具が置かれている。

城の中は迷ってしまいそうな広さだった。
いや、絶対、迷うだろう。
アリアも目を丸くして必死に場所をメモしていた。
しばらくはこの家のメイドさんと一緒に行動した方が良さそうだ。