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第1章 初めてのおじさん

京子は雑踏とした駅前でひとり人をまっていた。

マッチングアプリで連絡を取った高齢の男性だ。

人生で初めての体験に平静な見た目とは裏腹に心臓はバクバクとなり

口の中はカラカラに乾いていた。

まさか人生で自分がこのようなことをするとは夢にも思っていなかった

ただ昨今の物価高で生活が苦しい、というか食べていけないための選択だった

地方から都内の私立大学への進学で親にこれ以上負担をかけるわけにはいかない

バイトも考えたがいまの学部の忙しさだととてもではないが時間がとられすぎ

学業が回らなくなり、成績が落ちることで奨学金を外されでもしたら本末転倒だ

友達に相談したところ、これなら短時間で高収入だよと勧められた

よさそうな人で定期が見つかれば次を探す必要もないし普通の人が多いから

大丈夫だよといった彼女は、耳打ちで私もやってるしねと告げた