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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第18章 ずっと好き~せめて想うだけでも許してください。

「七瀬には――彼女を振った当初、好きな人ができたとしか伝えていなかったんだ。昨日、家に来た時、澪ちゃんの乱れた姿を目にして、彼女が動揺していたのが判ったから、誰かに告げ口される前に、俺が好きな女性が誰なのかを先手を打って話しておかなければと思ったんだ。世間で後ろめたいことをしているから、恐怖心が働いてしまったんだ」

 その結果、もっとも大切な女性を傷つけてしまったのは事実だけれど――と、唯斗さんは苦笑した。

「え、えと……結局、唯斗さんの好きな女性って――?」

 未だに唯斗さんの言葉が信じられないあたしは、何度も瞬きを繰り返した。
 そのたびに、目から涙が零れ落ちていく……。

「聞きたいところはそこ? 澪ちゃんしかいないのに?」
「――えっ?」

「それなのに、家に戻ったら君は居ないし、探し当てた公園の裏手で年配の知らない男性とセックスしているし……自業自得とは言え、腸が煮えくりかえるほどの怒りを感じたよ」

「あれはっ! だってあたし誰からも必要とされてないって思ったからっ!」

「うん、俺の軽はずみな行動で澪ちゃんを傷つけた。おかしな臆病風に吹かれずにさっさと告白しておけば良かったと、あんなに悔いたことはなかった。――須藤に言われたんだ。さっさと告白しないと誰かに奪われるって――本当、その通りだったよ」

 えっと、それってつまり――?


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