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第16章 さようならを貴方に～誰かあたしを拾って愛して。

　唯斗、さん……？


「……澪ちゃん」
「ん……」
　耳元で囁かれて顔を上げると――。

「んぅううう……」
　口が塞がれた。
　舌先で唇をノックされ、そのまま割り開かれれば、舌が入り込む。
　あたしは差し出された舌をすんなり受け入れることができる。

　だって、この人はあたしが大好きな唯斗さんだから……。

　上顎から歯列を通って下顎へ。
　唯斗さんの舌はあたしの口内を蹂躙する。


「ん、っふ……んぅううう……」
　好き。
　すごく好き。

　たったの口づけだけで、あたしのみぞおちが疼く。
　お尻の孔がキュッと締まる。

「んぐ、んぅぅううう……」

　唯斗さん。

　唯斗さん……。

　あたしは手を伸ばして、口づけの先を強請る。
　唯斗さんの後頭部に触れた。
　そうすれば、唯斗さんのキスがさらに深くなる。
　あたしも負けじと唯斗さんの舌に自らの舌を絡めた。


「お前は誰だぁああっ！」

　おじさんが激怒している。
　だけどあたしを包むその人は少しも怯まない。

「あんたに打ち明けるつもりはないよ。……この娘はあんたが軽々しく手を出して良い娘じゃない。よくも……よくもこの娘をっ！」

　突然あたしは反転され、同時に膝裏を持ち上げられた。
　地面から爪先が浮いたと思ったら、そのまま膨らみのある割れ目へと硬いものが触れた。