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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第16章 さようならを貴方に~誰かあたしを拾って愛して。

 ……グチュ。
「っひ、っぐ!」
 最奥に亀頭が挿し込まれた。

 やがて硬く反り上がったペニスがゆっくり緩んでいく……。


 本当は、唯斗さんに愛されたかった。
 だけどこんなに穢れたあたしは、もう誰にでも感じてしまう身体になった。

 こんなあたしは、唯斗さんを好きでいることさえ許されない。

 唯斗さん……。
 ずっと、好きでした……。

「出すぞぉぉぉおおっ!」

「っう、んああああああっ!」
 あたしの口から吐き出したその声は、嬌声とも泣き声ともとれない不気味な声だった。

 ヌかれる……。
 あたしの腰が歓喜に震えた直後――。

「澪ちゃんっ!」
 だ、れ?
 突然、横から名前を呼ばれた気がした。

 だけど涙で視界は歪んでいる。
 もう何も見えない。

 そうかと思えばあたしの身体が引き抜かれ、腕の中に包まれた。
 同時にアナルから引き抜かれたペニスから飛び出す体液があたしの身体を掠めた。

 行き場を失ったおじさんの白濁が無惨にも芝生の上に飛び散る。

 対するあたしは、腕に包まれたまま。
 その腕の中はとてもあたたかで、優しくて――。

 力強い。

 心配事なんて何もないって言ってくれるような、何もかもを委ねられる腕。

 あたし、この腕。
 知ってる。

 だけどそんなはずはない。

 だって貴方は大切なあの人を追って去ってしまった。
 それなのに、どうしてここに居るの?


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