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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第15章 邪魔なんてさせないんだからッ!

「ん、は……」
 乱れる息を整えていると、玄関からか細い女性の声が聞こえた。

 女の人?
 しかも唯斗さんは少し砕けたような物言いになっている。

 不思議に思って廊下から玄関を覗けば――……。

 想像さえもしていなかった人が玄関先に居たんだ。

 腰まである艶やかな薄茶色の髪の毛に、華奢な身体。
 お淑やかで優しい雰囲気の女性。
 七瀬 姫実花さん。

「七瀬……今時分にどうかした?」

 姫実花さん?
 どうして――……。

 ドクン、ドクン。
 さっきとはまた違う心臓の鼓動する音が体内に響く。

「あの、実は一昨日前から母が家に戻ってて、お昼ご飯を作り過ぎちゃったの。森野くんの家は母の家から近いし……それで、今姪っ子さんと暮らしてるって同僚の方から聞いたから、良かったら一緒に食べてもらえればって――」
 七瀬さんは恥じらうような仕草で横髪を耳に引っかけてタッパーを差し出した。

「――っつ!」

 渡さない。
 唯斗さんはあたしのものなんだから!

「唯斗さんっ! だあれ?」
 あたしは乱れている服のまま、姫実花さんの前に進み出た。
 唯斗さんの右腕に両腕を絡めてしがみつく。

「早く、続きしよ?」
 唯斗さんにギュッてしがみつけば、肩を剥き出しになっているオフショルがよりはだける。
 腕に胸を挟み込んで、情事の最中だったことを姫実花さんに見せつける。
 薄い生地を押し上げて乳頭のシルエットが浮き彫りになる。


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