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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第12章 いざ、情報収集のためにっ!
こんなんじゃ、須藤さんにも唯斗さんへのあたしの気持ちがバレてしまう。
――ああ、でもここに来なきゃ良かった。
訊かなきゃ良かった。
恋敵の情報なんて知らないままが良かった。
そうしたら、ただあたしは唯斗さんに抱かれて有頂天になっていただけだったのに――。
今、こんな悲しい気持ちにならずに済んでいたのに――。
「それで――」
重苦しい沈黙が続いた先に、須藤さんは口を開いた。
「んで、もう1回質問。澪ちゃんって森野が好きなの?」
「えっ?」
ドキンッ!
またもや核心に触れる質問にあたしはとっても動揺してしまった。
ふいに立ち止まってしまう。
「まっ、まさか。そんなこと……。だって叔父さんだよ?」
「しっ!」
あまりにも本当のことを見抜かれてしまったから、ドモってしまうあたし。
やっぱりあたしはまだまだ子供で、周りのことなんて見えていないんだ。
大きめの声で反論したあたしを、須藤さんは制してくれた。
内容が内容だけに、さすがの須藤さんも配慮してくれたっぽい。
あたしの手を引いて、お洋服屋さんの中に入った。
そこは紳士服が立ち並ぶ場所。
人が少ない場所に引っ張ってくれた。
周りのことを考えられるほどの余裕すらなく――。
全部自分の都合を押しつけて――。
心臓が大きく鼓動しているし、今のあたしはすごく動揺している。

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