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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第12章 いざ、情報収集のためにっ!
だから唯斗さんも彼女の気持ちに応えたんだろう。
ただの女子大生の、何も知らない子供なんかよりもずっと魅力的……。
じゃあ、どうして唯斗さんは姫美花さんじゃダメだったんだろう。
何が問題だったんだろう。
あたし、もしかしなくても勝ち目ないのかな。
姫美花さんでダメだったら、あたしじゃ到底、唯斗さんの恋人としての理想像には追い着かないってことじゃ……。
不良に襲われて初め手抱かれたあの日、唯斗さん自身が打ち明けてくれた、そういう目であたしを見ていたっていうのは、明実の言ったとおり、あたしの身体に欲情していたっていうことで――。
肉体関係だけを求めていたのかな?
優しくしてくれたのは、姪っ子に中出しまでして抱いた罪悪感があったから――?
あたし、罪悪感で優しくされていたの?
「――っつ!」
ああ、どうしよう。
胸が痛い。
目頭が熱くなってくる。
須藤さんが隣にいるのに、泣きそう……。
悶々と湧き水の如く溢れてくるあたしの思考は、もうノンストップでどんどん悪い方向へと進んでしまう。
気がつけば定食はすべて食べ終わり、お箸を膳の上に置いていた。
美味しいと評判のお店だったらしいけれど、味なんて判らない。
唯斗さんのことになると、あたしは何も考えられなくなるんだ……。
須藤さんの、「出ようか」の声を合図に重い腰を上げてお店を出る。
須藤さんの斜め後ろ手に、お洋服屋さんなんかが立ち並ぶフロアをとぼとぼ歩く今のあたしは明らかにここに来た当初とは違うと思われているだろう。

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