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魅惑~甘く溺れる身体と心。
第1章 あたしの好きな人。

◆
あたし、森野 澪(もりの みお)。20歳になりました。
はい、ということで。
大好きなあの人に会いに行って、誘惑したいと思います!
ってうのも、その人。
実は、本当は好きになってはいけない人だったりする。
お父さんの弟さん。
結婚は許されない相手。
だけど……あたしたち、きっと両想いだと思うの。
そりゃ、本当はいけないかもしれないけれど、両想いなら――お互い意識している仲なら問題ないよね?
ダメって言われても引き下がる気はないけどね。
だって、もう好きになっちゃったんだから。
お父さんもこの恋に応援してくれてる。承諾済みなんだもん。
軽い気持ちだって思われるかもしれないけれど、結構本気だったり。
叔父さんを好きになったきっかけは、父と母の離婚話が出た当初。
ずっとずっと仲良くこのままみんな一緒だと思っていたのに、あたしが中学生になる頃、お母さんが突然好きな男性ができたと家を出て行ってしまったんだ。
お父さんもお母さんも2人とも医療関係のお仕事だったし、そりゃね、一緒にいる時間はあまりなかったかもしれない。振り返れば仲良く笑い合っていた姿をあまり見なかった。
でもね、すごく悲しかった。
あたしは結局、お母さんにとっていらない存在なんだって、そう思った。
だって実際、あたしはお母さんに捨てられたから。
子供より恋人の方を愛したっていうことでしょう?
それはとても苦しくて、とても悲しいことだったんだ。

