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僕の愛する未亡人
第4章 はじめての嫉妬
「ま、昔の話。今はやりがい感じてますよ。佐藤くんが褒めてくれるし」

ハンドルを握りながら、ちらりと冴子が理央の方を流し見た。





「ふぃ~っ。疲れた」

コンビニで昼食を買った理央は、佳織の後ろを通って席に着く。
いつもの彼からは感じない匂いが佳織の周りにふわりと漂う。
カップ麺や弁当の匂いの入り混じる今の時間に、女性物の香水の香りが鼻をかすめたのだ。
その違和感に、佳織の胸がざわつく。

「……佐藤くん、お帰り。大変だった?」

思わず佳織は、理央に声をかけた。

「え~、いや、飯塚さんの後ついてくので精一杯でした。社用車で行ったんですけど、運転も「ピシッ!」って感じで、シゴデキ女子過ぎるんですよ」

理央自体はいつも通りの飄々とした態度で、変わりない。周りの男性社員から「なんだよ、「ピシッ」って!」と突っ込まれていた。「いや、マジ「ピシッ」だから! 乗る機会あったら実感するから!」と理央は力説していた。

佳織の胸がざわざわと落ち着かない。
……二人の間には何もなかった。理央の様子を見る限り、そうなのだろうと自分に言い聞かせる。
だが、ふと十年前の記憶がよみがえる。理央が入社して数か月後、当時店舗の店長だった冴子が、生産管理部に異動してきたのだ。あの中途半端な時期の人事を、佳織は今でも鮮明に覚えている。

慣れない仕事に必死で食らいつく冴子の姿は印象的だった。けれど同時に、当時の彼女には、ある噂があった。
店舗で問題、しかもセクハラを起こしての異動だと。
実際のところ、冴子は理央のように徹底して飲み会を避けるわけではなかったが、オンとオフをはっきり区別し、社員との関わりは必要最低限。プライベートでの付き合いは希薄に見えた。
それでいて、後輩のアフターケアまできちんと行う。まさに理央が言うように「仕事熱心な人」だった。
だからこそ、セクハラの噂など根も葉もないと、佳織はずっと思っていた。――今日までは。
――この時間に、理央から女物の香水の匂いが漂うとしたら、おそらく彼女のものがついたとしか思えない。


(何か…されたの…?)


冴子の普段使う香水の香りは、そんなに濃い匂いのものではなかったはずだ。佳織は気にしたこともなかった。
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