この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第13章 一気呵成のカタルシス
裕樹は楓の言葉を聞いて、思わず目を瞬いた。
それは六年間、胸の奥に石のように抱えてきた重さが、あっけなく外されてしまったような気分だった。
「え?じゃあ僕は、ずっと勘違いしてたってこと…?」
ぽかんと口を開けたまま、思わず苦笑がこみ上げる。
罪の意識は薄れて、体から僅かに力が抜けていく。
けれどその代わりに浮かんでくるのは、別の種類の後悔だった。
(葵ちゃん、あんなにそっけない感じだったのに、ノリノリだったのかよ…。もっとエロいことしておけば良かった…。)
唖然とした感覚と、妙にリアルな未練とが入り混じって、思わず頭を抱えた。
それを見た楓は、ふふっと楽しそうに笑っていた。
裕樹も釣られて笑ってしまう。
「楓さん、ありがとう。なんか、身も心もが軽くなった気がするよ。」
「あら、それは良かった。どういたしまして。」
楓はそう言って微笑んだ。
だが次の瞬間、その笑みは鋭さを増した。
「葵ちゃんへの罪悪感も晴れたわけだけど…今度は私のことを観察しちゃうのかしら?」
楓は少し前屈みになり、瞳の奥で裕樹を捕らえる。
さきほどまでの母性的な優しさは跡形もなく、そこには獲物を狙う女豹のような眼差しだけがあった。
それは六年間、胸の奥に石のように抱えてきた重さが、あっけなく外されてしまったような気分だった。
「え?じゃあ僕は、ずっと勘違いしてたってこと…?」
ぽかんと口を開けたまま、思わず苦笑がこみ上げる。
罪の意識は薄れて、体から僅かに力が抜けていく。
けれどその代わりに浮かんでくるのは、別の種類の後悔だった。
(葵ちゃん、あんなにそっけない感じだったのに、ノリノリだったのかよ…。もっとエロいことしておけば良かった…。)
唖然とした感覚と、妙にリアルな未練とが入り混じって、思わず頭を抱えた。
それを見た楓は、ふふっと楽しそうに笑っていた。
裕樹も釣られて笑ってしまう。
「楓さん、ありがとう。なんか、身も心もが軽くなった気がするよ。」
「あら、それは良かった。どういたしまして。」
楓はそう言って微笑んだ。
だが次の瞬間、その笑みは鋭さを増した。
「葵ちゃんへの罪悪感も晴れたわけだけど…今度は私のことを観察しちゃうのかしら?」
楓は少し前屈みになり、瞳の奥で裕樹を捕らえる。
さきほどまでの母性的な優しさは跡形もなく、そこには獲物を狙う女豹のような眼差しだけがあった。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


