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第39章 番外編　その２　『私』の誕生日③

『海も勿論良いですけど、
この季節の山も良いですよね？』

「うん…日差しが遮られて
暑く無くて、いい感じ…だね…」

耳をすませば…蝉の声に混じって
小鳥のさえずりも聞こえて来る。

昼食の後まで天保山の海沿いに
居たのに、１時間ほどで
今は六甲山の山の中に居て。
海も山も両方楽しませて貰ってる。

「何で山の中なのに、
オーシャンテラスなのかなって
思ってたけど…お部屋の
お庭から大阪湾が見えるからだね」

『海から離れてますけど、
オーシャンビューですよね』

そんな話をしながら…、
お庭のテーブルで
景色と美味しい空気を楽しみながら
旦那さんが淹れてくれた
コーヒーを頂いて。

『置いてあったフィナンシェ食べますか？』

「でもお夕飯の前だし、
今は食べないで後にしようかな？」

『今日の夕飯は神戸牛ですよ、
この宿楽天トラベルで口コミの
評価４．９２なんで一休.comでも
４．７２とかなんで…かなり
高評価の宿だったんで期待していいと
思いますよ、食事も』

食べるのが好きな旦那さんが
選んだお宿だから、きっとご飯も美味しいはず。

お夕飯は１階にあるダイニングで
頂く感じなんだけど、テーブルは
半個室になっていて。
完全に仕切られてないけど
プライベート感がある感じ。

お誕生日だからプランを
グレードアップしてくれていて
神戸牛のコースのメインの
鉄板焼きのお肉をシャトーブリアンに
アップグレードしてくれてて。

神戸牛のタタキと、
鉄板焼きとしゃぶしゃぶを
食べられるコースで…。

先付けはお重に入って
最初にテーブルにセットされてたから
座ってすぐに食べ始められる感じで。

私は食前酒は飲めないと伝えて
くれていたので、梅酒を
梅ジュースにしててくれて。
旦那さんと乾杯をして先付けの
入っているお重の蓋を開けた。

柿の形をした器に、
もみじの葉が添えてあって。
その葉が赤く色づいていて
まだ残暑が厳しい季節なのに
こんなに綺麗に色づいてる葉が
あるんだなと思いながら眺めていると。