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第39章 番外編　その２　『私』の誕生日③

このクラゲのエリアに移動する
エスカレーターを降りていると
海遊館ももうすぐ終わりだなって
そんな気分になるんだけど。

もともとこの先はクラゲが
展示してあるエリアだったんだけど
２０１８年に今のこのクラゲ銀河に
リニューアルオープンした。

壁とかが真っ黒でライトで
照らされたクラゲが白くぽっかりと
浮かんでいる様子はまるで宇宙みたい。

『海遊館のクラゲエリアは…
大人のデート向けって感じですよね』

旦那さんの言葉通りに
エリア自体が暗い感じだから
大人のデートにピッタリかも…？

「海遊館には…カップルで
来たくない人…も…多いかもね…」

海遊館には…ちょっとした
ジンクスがあって、カップルで
海遊館に来て観覧車に乗ると
別れるって言う…のがあって。
割と…関西圏では有名な…
まことしやかに囁かれてる話で。

私は……雄介さんと…
海遊館デートした事あるし…。
でも…旦那さんとも…
デートした事あるから…。
それが絶対って事はないんだろうけど…。

『ああ、別れるって言いますもんね、
僕も高校時代にそのジンクスの
噂みたいなの聞いて、実際に
先輩が海遊館行って別れたとかって
そんな話も一緒に聞きましたけど…
そんなの別に海遊館に限定しなくても
遊園地デート別れるとか言いますし…
別れるカップルはどこ行ったって別れますよ』

まぁ旦那さんはどこに行くかが
問題じゃ無くて…カップルの二人の
関係性の問題だって話をしていて。

丁度…１つの水槽の前で
カップルらしき若い男女が
クラゲを観てたんだけど。
男の子の方がクラゲの生態を
一生懸命に話をしてて
彼女の方はその話に飽きてそうな感じで。

男の子の方は魚とか海の生き物が
好きなんだろうけど、女の子の方は
そんなうんちくみたいな話よりも
いい雰囲気を楽しみたい感じで。

『んで、この後観覧車乗ったら
彼女の方から今の不満を…
垂れ流されて聞かされるって流れなら
そうなるかも…とは思いますけどね…』

まぁこの２人がどうなるかは…
私達にはわからないけど…。

私達が別のクラゲを見てる間も
２人は同じ水槽の前に居たから。