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12歳年下の旦那さんと新婚旅行と妊活する話
第38章 番外編 その2 『私』の誕生日②

『こうやって見てても…
本物みたいにリアルですもんね。
今にもヒレが動きそうですもん』

「これって金魚と一緒に
樹脂に入ってる水草は
本物の水草なの?」

『巴、それも絵ですよ』

「え?この水草も絵なの?」

『枡以外は全部絵なんですよ…』

こうして実物を見てみても
絵だとまだ信じられない程に、
金魚酒の…枡の中の金魚はリアルで。

撮影が出来る作品に…百済って
言うタイトルの作品があって
傾けられた木の桶の中に
凄い沢山赤い和金みたいな金魚が
入っていて、斜めにされた
桶から零れてしまわないように
抗って泳いでる様子が…描かれてる。

思わずその傾けた下側に
手を伸ばして零れそうな金魚を
受け止めてあげたい気分になる。
ガラスのケースの中だし
水に見えてるのは樹脂だから
零れて来ないと理解はしてても。

金魚が零れちゃうって気分になってしまう。

『金魚が零れそうなハラハラを
ずっと味わい続けられますね』

第3章 存在と不在-気配がもたらすもの

その次のエリアでは、
横から見られる作品もあって。
ビニール袋に入った水を
スパっと輪切りにしたみたいな
そんな作品があるんだけど。

これは横からも見る事が出来て
横から見ると…水が入った
ビニール袋にしか見えないし
所々黒い汚れみたいなゴミが
浮いてる汚い水みたいに見える。

でもこの水入りのビニール袋を
上から見ると…出目金が沢山居て。

「わぁ、凄い出目金いっぱいいる
さっきはなにも居なかったのに…」

そしてまた横から見ると
やっぱり出目金は居なくて、
横から見たり上から見たりして。

『上から見たら絵には見えませんし
絵とは誰も思いませんもんね』

壁面には額縁に缶のケースに
入った金魚の金缶シリーズが
並べられていて。

「用水路で金魚居たから
とりあえずで…入れたみたい…」

いや…思い切り…横になってるから
こんな角度だと零れちゃうんだけど…。

第4章 金魚繚乱-妖しく、ゆらめく

のエリアは平面作品のエリアで
今までの作品と違って
大きなサイズの物が多くて。

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