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第17章 ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄

『このクローゼットで
寝ようと思えば寝れそうですもんね』

クローゼットに荷物を置いて。

まだ見てない場所である
バルコニーに向かう。
バルコニーからの景色は
島にある建物がこのホテルだけなので
オーシャンビューじゃなくて
オーシャンフロントの眺めなんだけど。

相変わらず…空はどんよりとした
曇天の…グレーの空が広がっていて。

『今日は天気が良かったら、
やんばるの方までドライブして
辺戸岬まで行こうかなって思ってたんですよ』

バルコニーに手すりに
自分の手を預けながら指と指を組んで。
旦那さんの視線は目の前の海に
ある様でどこか遠くを見ていて。

「え？そうだったの？」

『折角やんばるの方まで行くんだったら、
お天気がいい日の方が良いですし。
別に今回行けなかったからって、
やんばるが無くなる訳じゃないですし。
子供が生まれてて無理だったら、
それはそれで仕方ないですし。
だったらだったである程度大きくなって
トレッキングとかマングローブカヌーとか
出来る様になるまで取っておくのも良いかなって』

それは…何年後の話って…思ったけど、
港斗くんの中ではそんな数年後の
未来が…見えているかのようで。

『あ、でもその前にジャングリアに
家族旅行で行きましょうね。巴』

ジャングリアって自然がテーマで
ジャングルみたいな感じだから
私ずっと、やんばるにあるんだって
思ってたんだけど…今帰仁にあるみたいで。

小さい子連れて車で長距離移動はって
思ってたけど…今帰仁なら…恩納辺りで
前日に１泊して置けば…来れそうだなって。
まだ妊娠もしてないのに、
子供連れで家族旅行に来ることを
想像したりしてみたりして…。

『ああ、こんなことしてたら…
良い時間になってましたね…。
巴…これに着替えて貰って良いですか？』

と…旦那さんが自分のキャリーバックから
見慣れたフィッシュテールの
ワンピースと言うかドレスを出して来て。

「これ、持って来てたの？」

セトレで旦那さんがサプライズで
用意してくれてオーシャンプレイスでの
結婚式の時にも着たあのドレス。

『はい、ここのレストランの
ディナー予約してるんで…』