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第31章 もっと愛して

　この家を出たら、お父さんと真人お兄ちゃんとセックスができなくなるかもしれない。きっと離れたら、愛してもらえない……。


「考えておいて、陽菜。俺は陽菜を大事にしたいんだ」

「お兄ちゃん……」


　大翔お兄ちゃんは私に優しいキスをすると、名残惜しそうに唇を離した。


「またなんかあったら、すぐ連絡して」


　私はスーツを着た大翔お兄ちゃんを見送った。


「一緒に住むだなんて……」


　ワタシハ　イイトオモウナ……
　キット　ヒロトオニイチャンのホウガ　ワタシヲダイジニ　シテクレソウ……

　オトウサンヨリモ……


「……っ！」


　また心の声が聞こえてくる。


　ネェ　ジブンモキヅイテルンジャナイ？
　
　オトウサンハ　ワタシヲ　アイシテナイッテ


「！？」


　ダッテ　オトウサン　イッテタジャナイ

　ウワキアイテノ　コドモナンテ　アイセナイッテ


「えっ……」


　私は自分の心の声を聞いて、昔の記憶がフラッシュバックした。