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巫女は鬼の甘檻に囚われる
第19章 鬼界の異変


「‥‥‥ッッ」


 白く眩い光が、地下の闇を切り裂き、壁から床までを全て照らす。まるで神の息吹が彼女を包むように、霊気が渦を巻き、部屋全体を清めた。

 巫女の黒衣が光に揺れ、彼女の瞳が神聖な輝きを宿す。

「なっ、なっ……こ、これ……!」

 後を追って地下に来た玉藻が、呆気にとられて目を大きく見開いた。

「おぬしっ…この力を今までどうやって隠しておった…!?」

「……わたしの霊力は、神からの借り物」

 巫女の声は静かだが、力に満ちていた。

 彼女は天哭ノ鏡を胸に抱き、優しく冷静な目で玉藻を見据えた。


「ですから、他者へ振りかざす強い力は、神器を介してしか使えぬよう誓約をかけていました」


「……!」


「これで呪いを祓えます。鬼界への案内をお願いできますね、玉藻」


 巫女のオーラに圧倒された玉藻は、涙をポロポロと流しながら、ゆっくりと頷いた。












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