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巫女は鬼の甘檻に囚われる
第19章 鬼界の異変

──…
身体が……熱い
「‥‥‥ぅ」
巫女の意識は、熱と重だるさに包まれ、ぼんやりと揺れていた。
身体の芯に残る火照りは、まるで夢の続きのようにして彼女を苛む。
(あの夢……あまりにも生々しくて……)
鬼の熱い眼差しが、彼女の心と身体にまだ焼き付いている。
「……ふ、ぅ……ハァ……」
ゆっくりと目を開けると、巫女は柔らかな寝具に寝かされていた。
薄絹の几帳が四方を囲み、透ける光が淡い影を揺らしている。近くの香炉から漂う沈香の甘い香りが、鼻腔をくすぐり、意識を少しずつ引き戻す。
ここが何処かも定かでないまま身体を起こすと、厚い布団が滑り落ちた。

