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巫女は鬼の甘檻に囚われる
第14章 人界の様子

「ご親切にありがとうございました」

 礼を言った巫女は、急ぎ立ち上がる。

 外に出るとそこは夕闇に包まれ、遠くの森から初冬の風が吹きこんだ。

「待ちなお前さん」

 そして彼女は家屋を出ようとしたが、女性が慌てて呼び止めた。

「村には近付くんじゃないよ! 村にはまだ病人がいるからね、伝染(ウツ)るよ」

 女性の言葉に、巫女は振り返る。

「疫病はおさまっていないのですか!?」

「まだ病に侵されているのは、幼い子どもたちが多いんだべ。健康な者は治ったが、子どもたちはまだ苦しんでる」

「そんな……」

 巫女の顔が曇る。彼女は一瞬考え込み、決意を固めた。

「でしたら、広めな建物に、わたしと、病の子どもたちを集めてくださいませんか。それと、なるべく澄んだ水を」

「何をバカなことを!」

 女性は目を丸くしたが、巫女の美しい瞳が真っ直ぐに彼女を見つめる。その清らかで強い光に、女性は言葉を失った。

「……!」

「お願いいたします」

 巫女の声は静かだが、揺るぎない力があった。女性はしばし見つめ合い、ついに頷いた。

「わかった……やってみるべ」



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