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愛染明王の御前で
第9章 第九話
少しざらついた人肌の感触が、梢の肛門を走った。
「あっ!ああん!」
初めての感触に梢は声を漏らしてしまった。
秘所を舐められたことは何度もあったが、肛門は初めてだった。


排泄器官に舌が触れる。
しかも相手は同性である藤乃だ。
何かなんだかわからなくなってしまった梢は、その感触に自然な反応をしてしまったのだった。


「ねっ、気持ちいでしょ?」
藤乃の言う言葉の通りだったが、「はい、そうです」などと言えるはずがない。
くすぐったい感じなのに、思わず官能に染まった息が漏れてしまう。


「アヌスはね、前の穴と同じくらい気持ちいいのよ」
そんなことはまだ女性大生の梢は知る由もない。
経験人数はそれなりにあったが、肛門を舐めてくる相手には出くわしたことがなかった。
粘着してくる元カレでさえ、そこまでする人間ではなかった。


「あら、梢さんはアヌスを責められたことがないみたいね」
「当たり前でしょ!」と言いたかったが、言えるような立場ではない。
粗相をした上、店の一番の常連である。
そんな立場さえなければ、梢はどうにでもしてこの場を逃れていただろう。
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