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誰にも言えない回顧録
第2章 28歳 大学職員
今振り返っても、前後のことははっきり記憶しているのに絶頂に達したその瞬間のことは殆ど覚えていない。

抗いようのない快楽と、止めどのない羞恥とのせめぎ合い。
そして、その体験は「いけない子」になってしまった、という底知れぬ罪悪感を私にもたらした。

お風呂から出た後。
私のぎこちなさなど何も意に介さない風で、パパはふだんどおりの優しいパパに戻っていた。
そして母親が帰宅してまもなく引き上げていった。


その後、その出来事を自分でことさら思い返すことはなかった。
いや、正直に言えば。
頭にはしょっちゅうあの時の感覚が浮かぼうとするのだ。
しかしその都度罪悪感から激しい自己嫌悪が込み上げ、私は考えるのをやめてしまうのだった。


次の週になって、パパはまたやってきた。
何の衒いもなく穏やかに微笑むパパに接して、私は喉の奥が乾いてひりつくような緊張を覚えた。
きっとまた、今日も。
いつものように振る舞ってみようとするのにそれが出来ずにいる私の異変をまるで無視して、パパはひと時過ごしただけで母親の帰宅も待たず、書き置きだけ残して去っていった。

そんな拍子抜けする対面が数週間の間繰り返された。
忙しいのだろうか。
いや、私がいけない子だと知ったからパパがよそよそしく変わってしまったのではないか、と私は密かに恐れ始めていた。


またパパが来た。
私はもうどう接したらいいのか判断がつかなくなっていた。
朗らかに挨拶してくるパパの様子は何にも変わっていない。
変わってしまっているのは私だけ。
こんな状況になったのは私のせい。
逃げ道の見えない自責の思いが込み上げ、涙が出そうになる。

途切れがちな会話がいよいよ行き詰ったかと思ったその時。
お風呂に入ろうか
パパが言い出した。
私はその時、なぜだか少し救われた気持ちになった。


今までお風呂に入る時には予め部屋着に着替え、替えの下着だけを持っていっていたのに、その時パパは私をそのまま前室に向かうよう促した。

引き戸を後ろ手に静かに締め、学校帰りの格好のまま私はパパと近距離で向き合うことになった。
さぁ、服を脱ぎなさい
そう言うパパの表情が、それまでの柔和な顔つきから一転、有無を言わせないものに変わっていた。

あの時。
鏡越しに乱れていく私を見つめていたあの表情だ。
私は全身にあの時の感覚がよみがえるのを感じた。
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