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第22章 ゴルフ愛好会

前に出て体操をしている佐藤慎二にはわかる。

　　　　男という男の視線が、
　　　　実雅子さんに集まっている。
　　　　そりゃ、あの豊満ボディじゃあ、
　　　　誰だって気になるよな。
　　　　っていうか、それが目的で集まったわけだけど、
　　　　あまり、最初から飛ばすと、
　　　　実雅子さんが嫌がって、
　　　　『帰らせていただきます』とかなったら、
　　　　どうするんだよ。

と、思いながら、自分も視線を外せないでいた。ちょうど半円というか轡のようなを描くように集まっていたが、最後に入ってきた実雅子は、鶴が羽根を広げた頭の部分くらいの位置にいて、前に出た佐藤と向き合う位置だった。後ろには関夫婦とサラン。

右側には、重村定勝、重村勝兵、重村早苗、副島紹子、斎田章、斎田整。
左側には、反町茂、反町聖子、反町沙織、椎名奏楽、鈴木志帆、清水志温。

ユニフォームのピッタリゴルフウェアを着た実雅子。その身体のラインを見たい、その動きを見たいと、定勝、勝兵、章、整、茂、志温、慎二、壮輔の視線が集まる実雅子。最初は、視線より貸切ゴルフ練習場という施設に興味を持って見ていた実雅子。

というのも、子供の頃に来た記憶が。小さい頃、父がゴルフ好きで、どこか覚えていないけど、ゴルフ練習場に連れていかれた記憶があった実雅子。こじんまりとした雰囲気。左右に樹木が茂り、その真ん中にフェアウェイというか、飛ばすイメージ。左右が丘になっていて盛り上がっていて、自然に飛んだボールがある程度、集まってくる作り。

昔、来たことがあると思うと、懐かしさも。そんなことを思いながら、佐藤慎二の掛け声に合わせて体操をしていた実雅子。

ふと、感じた視線。

　　　　仕方がないわ。
　　　　ユニフォームのゴルフウェアがピッタリだから。
　　　　家を出るときも、夫が出かけてから着替えたくらいだもの。
　　　　恥ずかしいと言えば恥ずかしいけど、
　　　　恥ずかしがる方が余計に恥ずかしくなるから
　　　　ここは、堂々と振舞うほうがいいわ。

と、思った実雅子。