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第22章 ゴルフ愛好会

関壮輔の顔を見た実雅子。

　　　　やはり、どこかで見た記憶がある顔。

「どうかしたの？」

と、夫を見る実雅子に尋ねる聖麗那。

「あ、どこかでお会いしたような気がして」

と、話す実雅子。

「あるかもしれないわ。住宅営業の仕事をしているから、あっちこっち走り回っているし、そもそも、どこにでもありそうな顔というか、掃いて捨てるほど、よくある顔だから」

と、笑う聖麗那。

「あ、自己紹介を忘れていたわ。わたしは、関聖麗那。で、このどこにでもある顔の夫が、関壮輔。三愛ホームというハウスメーカーの営業なの。安月給だから、ハウスメーカーでいろいろ家を建てているのに、自分の家は、賃貸アパート」

と、言って、ゲラゲラ笑う聖麗那。

「おい、静かにしろって」

と、聖麗那をたしなめる壮輔。

「いいじゃん。仲良くなりたいし」

と、茶目っ気のある視線で壮輔を見る聖麗那。

　　　　何か企んでいるのか？

疑心に駆られる壮輔。

「わたし、32歳なのよ。村上さんは？」

と、笑顔で聞く聖麗那。

「同じよ。わたしも32歳よ」

と、微笑みながら答える実雅子。

「そうなの。もっと若いと思ったわ」

と、笑う聖麗那。

「そう？」

と、聞く実雅子に、

「単にわたしが老け込んでいるだけかも。稼ぎの悪い旦那に苦労させられているから」

と、壮輔にワザと聞かせる聖麗那。言葉に困る実雅子。

「いいわね。稼ぎの良い旦那を持って」

と、さらに続ける聖麗那。言葉に更に詰まる実雅子。

「そろそろ、始まるみたいね。行かないと」

と、聖麗那。確かに、サランと壮輔を除いて、他のメンバーはゴルフ練習場の中に入って行っていました。

というのも、心配そうに見ている重村定勝に、サランが目配せをして、『入れ』と伝えたから。重村が慌てて、鍵を開けて入ると、反町茂が続く、重村家、反町家が入り始めると、次々に入っていきました。