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第32章 梨果の消失

その後１ヶ月余、梨果の携帯電話に何度も連絡したが応答はなく、ついには“お客様のご都合によりお繋ぎできません”との無機質なアナウンスが流れるだけになった。

既に12月になっていた。



富山氏と真田氏の店に赴いたが彼らは教室での下半身の露出が唯一の犯罪行為であったが、施設の職員に目撃されず梨果も供述しなかったようで日常を取り戻していた。

川瀬氏は梨果からは不起訴であったが、施設の職員が押し入った際、性器の露出と精液での床の汚損を目撃され、裁判になったようだ。

田村氏は少女への自慰行為の強要と暴行の容疑があったが、梨果の不起訴によって刑を逃れた。

講師である梨果の父親に限っては、会の主催者であり未成年の娘への暴行と性器露出の容疑でしばらく拘置されるようだ。

主不在の講師の家に何回も訪れたが、梨果どころか母親もおらず行方がわからないでいた。

１日も早く梨果に会いたい。
会って話がしたかった。