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亜美の鎖 -快楽地獄-
第7章 消えた跡
「やっぱり…っ、会いたい…っ」
その衝動に抗えず、彼女は決意を固めた。
その夜、亜美はベッドに横たわっていた。
隣では夫が眠りに落ち、穏やかな寝息が聞こえていた。
彼女の手にはスマホがあり、画面の明かりが暗闇の中で揺れている。
夫の寝顔を一瞥し、胸に微かな罪悪感が走った。
だが、それ以上に体の奥の疼きが彼女を支配していた。
「ナオさん…っ、どうしてるかな…っ」
指が震えながら、連絡先を開いた。
ナオの名前を見つけた瞬間、心臓がドクンと高鳴った。
メッセージを打つ手が一瞬躊躇したが、疼きが彼女を後押しした。
「ナオさん、お元気ですか?
この前は…っ、ごめんなさい。
でも、あの時間が忘れられなくて…っ」
文章を打ちながら、彼女の頭にナオの冷たい声が響いた。
「軽く考えてたんじゃないか?」
後悔が胸を刺したが、それでも指は止まらなかった。
「その後、どうされてますか?
お時間ある時でいいので…っ、お返事いただけたら嬉しいです」
メッセージを書き終え、彼女は送信ボタンを押した。
スマホを胸に抱き、彼女は目を閉じた。
夫の寝息が耳に届く中、心はナオへと飛んでいた。
返事が来るのか、それともこの想いは再び届かないのか。
「ナオさん…っ」
小さく呟きながら、彼女は眠りに落ちるのを待った。
消えた縄痕の代わりに、彼女の心と体には新たな疼きが刻まれていた。

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