この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
亜美の鎖 -快楽地獄-
第7章 消えた跡
あれから2日が経った。
亜美は湯船に浸かり、温かいお湯に体を沈めていた。
手首に目をやると、縄痕はすっかり消えていた。
彼女は無意識にその部分を擦った。
かつて赤く残っていた跡は、もう触れても何の感触も残さない。
そのことが、なんだか切なく、悲しかった。
「赤くなってるけど、内出血はしてないから少ししたら消えるよ」
ナオの優しい声が脳裏に響き、彼女の胸を締め付けた。
縄跡がなくなってもお湯の中で、記憶が鮮やかに蘇った。
敏感だったあの感覚が体に甦る。
「ひゃぅっ…っ、んぁぁ…っ」
掠れた喘ぎが自然と頭をよぎり、彼女の手が湯の中で小さく震えた。
「ナオさん…っ」
小さく呟きながら、目を閉じた。
あの冷たい視線、淡々とした声、そして一瞬の優しさ。
「今回はこれで終わりだ」
ドアが閉まる「ガチャン」という音が、再び彼女の心を揺さぶった。
あれからナオからの連絡はなく、彼女の中で寂しさが膨らんでいた。
湯船から上がり、タオルで体を拭きながら、彼女はスマホを手に持った。
ナオに連絡したい。
その想いが頭をよぎるたび、躊躇が胸を締め付けた。
「赤って言ったら関係も終わりだって」
彼の冷たい言葉が耳に残り、彼女を臆病にさせた。
「私が連絡しても…っ、迷惑じゃないかな…っ」
自問が頭を巡り、指が止まった。
だが、体の奥が疼いた。
あの快感、あの時間が忘れられず、彼女を突き動かした。
「やっぱり…っ、会いたい…っ」

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


