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続・白昼夢
第1章 プロローグ

もう、私も年齢も年齢だし、この新しいベッドマットレスで誰かと愛し合う事など無いだろうと思っていた。
新しい出逢いなどはもうないと思っていたのだ。
でも、私は心の中では出逢いを求めていた。
出逢いは求めていたがアクションはなかなか起こせなかった。
なので、新しい出会いなどあるハズもなかったのだ。
私はひとり淋しく新しいベッドマットレスで眠った。
このベッドマットレスの寝心地はとても良く、毎晩私を眠りの世界へと導いてくれた。
翌朝は気持ち良く目が覚めて1日を始める事ができた。
眠りとは本当に大切だと感じてしまう。
私はとてもベッドが好きだった。
寒くなった12月にベッドの中に潜って眠っているととても心が落ち着くのだ。
ベッドはある意味、私の聖域だった。
この部分は誰にも触られたくなかったし、犯されたくもなかった。
それに、新しいベッドマットレスになったのだ。
このベッドを汚したくはなかったし、誰にも汚して欲しくはなかった。
そんな事を思いながら私は12月を過ごしていた。
12月も下旬になると寒さが厳しくなる。
そんな時はただ暖かなベッドに潜り眠ることにしていた。
こんな穏やかな日々を誰にも邪魔をされたくはなかった。
でも、そんな穏やかな日々を邪魔する者が現れるのを私はこの時まだ知らなかった。

