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コンビニバイトの男の子
第6章 一夜

悠希からの返信はありませんでしたが、メッセージを確認すると既読になっていました。
(きっと、人通りが途切れるのを待っているのね)
萩子は廊下には上がらず、サンダルを履いたまま玄関ホールに留まります。
北側になる玄関には、暗くならないように玄関ドアの横に天井から床までの大きな窓を取り付けていました。貴之が透け具合にこだわった型板ガラスで、外はうっすらと人通りがわかる程度しか見えませんが、昼間は照明を点けなくても薄暗い感じがせず、家に招待した人達にも好評で萩子も気に入っている窓でした。
その窓から外の様子を窺います。何人もの人影が、駅の方向に通り過ぎて行きます。外からの雑踏の音に混じって、自分の呼吸する音がより大きく耳に届きます。何時、悠希がドアを開けて入ってくるか分からず、どきどきしてきました。
(あ、私、部屋着のままだった。恥ずかしー。でも、着替えてる時間ないし・・・。化粧はしてるから良かったけど・・・)
そんな取り留めもないことを考えつつ、悠希を待ちます。もうかなり時間が経ったのではと思い、萩子はスマートフォンを見ました。
(さっきから、1分しか経ってない・・・)
再び窓を見ていると、人通りが途切れたタイミングで逆方向から現れた人影が門柱の前に留まりました。左右を確認するような仕草をすると、ドアに近付いてきます。
カチャ!
玄関のドアが外側に開き、するっと悠希が入ってきました。素早くドアを閉めて鍵を掛けると、悠希はそのドアにもたれて大きくひと息付きます。
「ふーっ、時間掛かってすみません。でも誰にも見られてないから大丈夫です」
それを聞いて、萩子もほっとしました。
「こんな朝早く、どうしたの?」
「したいことがいっぱいあるから、早く来ちゃいました」
「いっぱいって・・・」
言葉に詰まる萩子に、悠希はからかうような表情で返します。
「料理とドラマ鑑賞ですよ。なんだと思ったんですか?」
「もう!」
萩子が怒った表情で手を上げました。もちろん、本気で叩こうとしていないことは明らかで、悠希は笑いながらその手を掴むと、自身に引き寄せて躰を抱き止めます。
「それもですけど、ほんとはもちろんこっちです」
躰を反転して萩子をドアに押し付け、壁ドンの体勢から奪うように唇を重ねました。
「んーんっ」
(きっと、人通りが途切れるのを待っているのね)
萩子は廊下には上がらず、サンダルを履いたまま玄関ホールに留まります。
北側になる玄関には、暗くならないように玄関ドアの横に天井から床までの大きな窓を取り付けていました。貴之が透け具合にこだわった型板ガラスで、外はうっすらと人通りがわかる程度しか見えませんが、昼間は照明を点けなくても薄暗い感じがせず、家に招待した人達にも好評で萩子も気に入っている窓でした。
その窓から外の様子を窺います。何人もの人影が、駅の方向に通り過ぎて行きます。外からの雑踏の音に混じって、自分の呼吸する音がより大きく耳に届きます。何時、悠希がドアを開けて入ってくるか分からず、どきどきしてきました。
(あ、私、部屋着のままだった。恥ずかしー。でも、着替えてる時間ないし・・・。化粧はしてるから良かったけど・・・)
そんな取り留めもないことを考えつつ、悠希を待ちます。もうかなり時間が経ったのではと思い、萩子はスマートフォンを見ました。
(さっきから、1分しか経ってない・・・)
再び窓を見ていると、人通りが途切れたタイミングで逆方向から現れた人影が門柱の前に留まりました。左右を確認するような仕草をすると、ドアに近付いてきます。
カチャ!
玄関のドアが外側に開き、するっと悠希が入ってきました。素早くドアを閉めて鍵を掛けると、悠希はそのドアにもたれて大きくひと息付きます。
「ふーっ、時間掛かってすみません。でも誰にも見られてないから大丈夫です」
それを聞いて、萩子もほっとしました。
「こんな朝早く、どうしたの?」
「したいことがいっぱいあるから、早く来ちゃいました」
「いっぱいって・・・」
言葉に詰まる萩子に、悠希はからかうような表情で返します。
「料理とドラマ鑑賞ですよ。なんだと思ったんですか?」
「もう!」
萩子が怒った表情で手を上げました。もちろん、本気で叩こうとしていないことは明らかで、悠希は笑いながらその手を掴むと、自身に引き寄せて躰を抱き止めます。
「それもですけど、ほんとはもちろんこっちです」
躰を反転して萩子をドアに押し付け、壁ドンの体勢から奪うように唇を重ねました。
「んーんっ」

