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第9章 ８月

二車線の道路　中央に分離帯を設け　隣の市へ繋がる県道
車は直線道路に有るバス停の前に止まり　男達が降り

「　降りてください　」

遥に促され　慣れない着物姿で　車から降りようと
シートの上を腰をずらせ　秘唇を咥え込む結び目から　
頭の奥へと疼く様な鋭い刺激が、腰の動きを止め
腰を浮かせ、差し出された手を握り車から降り
目の前に　市内中央の公園への降り口が
夏の日差しが　容赦無く綾乃の体に降り注ぎ

「　此れを！　」

遥が水色の日傘を差しだして来た、水色の着物と
同じ色合いの日傘、綾乃は傘を広げ、振り注ぐ日差しを
遮り、ほっと息を吐き出し、中央分離帯に立つ
二人の男達に視線を送った　

石川が武骨な三脚に　ビデオカメラをセットして
レンズが綾乃を捕らえ、小泉は大型の一眼レフカメラを
綾乃に向け、シャッターが立て続けに切られていく

「　和田君、光を・・・　」

アシスタントの和田が、手に持ったレフ板の光を
日傘の下の綾乃の顔に当てた　カメラを抱えた
小泉がカメラを降ろし　道路を渡り、和田の許へ

「　光が強い！！　」