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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第3章 女中 千勢(ちせ)
 富田が、それから二度ほど蜜壺の奥に精を注いで、千勢の体を離したのは、日付が変ってかなり経った深夜だった。富田は睡魔の中で、千勢が懸命に男根を舌で清める様子を朧気(おぼろげ)に見ていたが、直ぐに深い眠りに落ちたのだった。

 翌朝、富田が洗面に立とうと、「次の間」との仕切りの襖を開けると、アールグレイ・ティの爽やかな香りが漂い、千勢が何事も無かったかのように、メイド服姿で朝餉の配膳をしていた。富田は直ぐに、千勢がエプロンではなく、いつも和装で使っている腰からひざ丈の<前掛け>を使っていることに気付いた。富田の視線を感じた千勢は、<前掛け>に手を添え、悪戯(いたずら)っぽい目をして、 「ご主人様のせいで、エプロンは洗濯中です。」 と言って、三つ編みのお下げ髪を揺らしながら明るく笑った。

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