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第3章 女中　千勢（ちせ）

　「いや、不都合ではないよ。私は、いつも、こうやって遅くまで本を読んでいてね。翌朝がゆっくりする日は、明け方までのこともあるんだよ・・・。それでも、今日のところはもういいから、お部屋にお戻り。」　誠一は、直前の土曜日、日曜日に続けて、当番だった良枝を激しく抱いた疲れが残ってのことではあったが、そのことは言わずに、千勢の気持ちも大事に汲み取ってやりたいと考えながら、話を続けた。

　「千勢さんの学業になるべく差支えが少ないように、私の当番の時は、前もって一週間の予定を決めておくことにしたいと思ってね。今週の水曜日は、大学は昼過ぎからだから、午前中はこの部屋で一緒に過ごすことにしませんか。それと、土曜日の夜は、夜学の後でお疲れだろうけど、今日のように来てもらうかな。日曜の朝はゆっくり出来るからね。」