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年の離れた妹
第4章 兄妹
「兄ちゃん、恵津子も帰るね」
結局買いものもせず、街を歩き観覧車に乗っただけだった。部屋に着くと妹は僕の服を脱ぎ、乾いた下着を着けワンピースに着替えた。そしてテーブルにあった指輪も、大事そうにキャラメルの箱に戻していた。

「えっちゃん…いつでもおいで」
「うん、ありがとう兄ちゃん」
「病院、付き合うよ」
妹は泣きそうな顔をして、僕を見つめていた。そして大きく頷くと、一粒の大きな涙を流した。それを右手で拭うと、恵津子は作り笑顔をみせた。僕たちは並んで、前夜の道を駅まで向かっていた。

「兄ちゃんが…兄ちゃんじゃなかったら、良かったのに」
「えっちゃんは僕の大事な妹だよ」
「うん…兄ちゃん、大好き!」
妹はそういうと、駅までの道を走り出した。

「兄ちゃん、ラインするから!」
すこし先で振り返ると、妹は全身で手を振っていた。僕は走って追いかけると、妹を抱きしめた。恵津子はなすがままに抱かれると、小さくありがとうと呟いた。

僕は部屋への帰り道、恵津子のことで頭がいっぱいだった。それは部屋に戻っても変わらず、これからの妹のことを思い、自分に何ができるかを考え続けた。そして恵津子の彼氏にも、怒りを覚えていた。しかしまず、妹が妊娠していた場合のことを考えざるを得なかった。妹は週明け、病院に行くつもりだった。どのようになっても、僕は妹を守ることを決めていた。

1時間もしないうちに、妹からラインが来た。その日買い物に行く道すがら、妹とラインを交換していた。妹から初めてのメールは、無表情のクマがお礼を言っていた。そして一言、兄ちゃんがいてよかった、とあった。僕は恵津子にいつでも連絡するよう、返信した。OKと力強いスタンプが、間髪入れずに戻ってきた。次の日も何度か、妹からラインが来ていた。しかしすべてたわいない内容で、僕の心配は続いていた。そして恵津子も、ずっと不安が続いていた。僕は早く月曜日になることを願っていた。
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