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雨が好き
第93章 悩みごと

【悩みごと】
「みなとさん?」
蒼人さんの声に、私ははっと我に返る。
ここは『みなと町』のテーブル席。
平日の夕方だった。
今日、蒼人さんは、お仕事が早く上がれたみたいで、
少し早めに顔を出してくれたのだ。
私も今は休憩中で、
蒼人さんとテーブルを挟んでコーヒーを飲んでいた。
「ぼんやりしているみたいですけど、
何かありましたか?」
蒼人さん、少し心配そうにしている。
「ごめんなさい」と私は少し俯いた。
いけない、これじゃあ、また心配させちゃう、と思って、無理やり顔を上げた。
「あ、うん・・・ちょっと、新しいメニュー考えてて」
咄嗟に言ったのは、私にしては慣れない『ウソ』だった。
本当に考えていたのは、
この間の映画のこと
そして、お雛様を前にして恵美子おばさんとお話したこと
だった。
今だけじゃなく、
ここのところ、ずっと、そればかり考えている。
映画の中で身体を合わせていた二人
互いを愛おしむ、身体の交わり。
それは、私がずっと、逃げていた、逃げ続けていたことだった。
でも・・・
蒼人さんを想う。
恋人になるって
ああいうことも含まれる
「みなとさん?」
蒼人さんの声に、私ははっと我に返る。
ここは『みなと町』のテーブル席。
平日の夕方だった。
今日、蒼人さんは、お仕事が早く上がれたみたいで、
少し早めに顔を出してくれたのだ。
私も今は休憩中で、
蒼人さんとテーブルを挟んでコーヒーを飲んでいた。
「ぼんやりしているみたいですけど、
何かありましたか?」
蒼人さん、少し心配そうにしている。
「ごめんなさい」と私は少し俯いた。
いけない、これじゃあ、また心配させちゃう、と思って、無理やり顔を上げた。
「あ、うん・・・ちょっと、新しいメニュー考えてて」
咄嗟に言ったのは、私にしては慣れない『ウソ』だった。
本当に考えていたのは、
この間の映画のこと
そして、お雛様を前にして恵美子おばさんとお話したこと
だった。
今だけじゃなく、
ここのところ、ずっと、そればかり考えている。
映画の中で身体を合わせていた二人
互いを愛おしむ、身体の交わり。
それは、私がずっと、逃げていた、逃げ続けていたことだった。
でも・・・
蒼人さんを想う。
恋人になるって
ああいうことも含まれる

