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雨が好き
第7章 みなと町
食べ終わった蒼人さんに、コーヒーとケーキは私のおごりだと言ったけど、
彼は自分が払うからと、頑として譲らなかった。
私は、せっかく、いろいろのお礼やらお詫びやらができると思ったのにと、
オロオロしてしまった。
そんな私のうろたえる姿を見て、蒼人さんは、くくっと笑みをこぼした。
そして、ここを奢って貰う代わりに、と言い、こう続けた。
「今度、隣町の美術館に行きたいから、一緒に来てくれない?」
きっと、このときの私の目はほんとうにまん丸になっていたと思う。
突然のお誘い。
男の人から・・・。
でも、不思議だった。この時の私は、手も足も震えなかった。
そして、きゅっとお盆を抱きしめると、小さく頷くことができた。
彼は自分が払うからと、頑として譲らなかった。
私は、せっかく、いろいろのお礼やらお詫びやらができると思ったのにと、
オロオロしてしまった。
そんな私のうろたえる姿を見て、蒼人さんは、くくっと笑みをこぼした。
そして、ここを奢って貰う代わりに、と言い、こう続けた。
「今度、隣町の美術館に行きたいから、一緒に来てくれない?」
きっと、このときの私の目はほんとうにまん丸になっていたと思う。
突然のお誘い。
男の人から・・・。
でも、不思議だった。この時の私は、手も足も震えなかった。
そして、きゅっとお盆を抱きしめると、小さく頷くことができた。

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