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女性のための犯され短編集
第21章 恋した同級生に犯される

 校門を出て、駅前の雑踏を抜け、夕暮れの街を歩く彼の背中を遠巻きに追いかける。

 やがて彼が向かったのは、賑やかでいて、どこか妖しいネオンが光る繁華街。そこまで来た彼女は息をのんだ。

 今、彼は年上の女と話していた。

 派手なメイクのキレイな女性が、彼の腕に手を絡め、親しげに笑う。すると女の指先が彼の頬を撫で、彼が少しだけ笑みを返す。

 その光景は、彼女の知る学校での彼とは別人のようだった。

 女性が彼にいくらかの現金を渡すと、二人が路地の奥に消えていく。彼女の心臓は早鐘を打った。

(……っ、これ、もしかして)

 頭が真っ白になる。信じたくなかった。彼女の知る彼は、教室で静かに眠る少年で、どこか孤高で、触れられない存在だった。

 それが、こんな場所で、こんなことを……?

 足が震え、逃げ出したかったのに彼女は動けなかった。どうすればいいのかわからない。

「君さぁずっとそこに立ってるけど?なに?迷子?」

「…っ…!?」

 すると道の端で突っ立ったままでいる彼女へ、道行く男が声をかけてきた。

「その制服どこの?ひとり?」

「え……いや、わたしは……友達を追いかけてここに」

「こんな目立つとこにいたら警察に補導されちゃうよ~」

「だっ…大丈夫ですから、離してください」

「いやいや~、君ひとりだと危ないからさ」

 その男は……善意にもとれる発言をしていても、緩みきった顔に下心を隠せていない。彼女はしまったと後悔した。そうして周りを見ると、制服姿の自分が周囲の注目を浴びていたことに気が付いた。

「っ…というか君、本当は誘われるの待ってるよね?」

「…!?」

「いくら?本番あり?」

「ちがっ!違います!わたし…──ッッ」


 .....



 ガシッ───



「……っ」

「──…こいつ、僕の連れなんで」


 怖くて縮こまっていた両肩を背後から抱き寄せられる。


「ぁ……!」


 振り返ったそこには、彼が立っていた。



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