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女性のための犯され短編集
第18章 無言の責め苦に犯される

 彼女は目隠しをされたまま、暗闇の中で自分の荒い呼吸だけを聞いていた。

 冷たい椅子らしきものに座らされ、手首と足首が硬い拘束具で固定されている。動こうとすれば軋む音が微かに響くが、身体はわずかにも逃れられない。

 心臓がドクドクと暴れ、恐怖と混乱が頭の中を支配していた。汗が背筋を伝い……冷えた肌に不快な感覚を残す。

 記憶は断片的だった。

 夜道を歩いているとき、背後から突然何かに襲われた。

 男だったような気がする。重い足音と、近づく息遣いが耳に焼き付いている。抵抗する間もなく気を失い、次に目覚めたときにはこの状況だった。

 目隠しの布越しに光は感じられず、どこにいるのかもわからない。

 ただ、冷たい空気が裸足の足先に触れ、時折聞こえる微かな物音が彼女の神経を尖らせた。男が近くにいるはずだ。その気配が、沈黙の中で重く彼女を圧迫していた。

「だ、誰……?何がしたいの……!?」

 震える声で問いかけても、返事はない。

 男は何も喋らない。

「…お…願いです、から……帰して……!」

「……」

 彼女の掠れた懇願は虚しく響き、沈黙がさらに恐怖を煽る。

 ハァッ....ハァッ....

「‥‥‥ッッ」

 やがて、彼女の首筋に生温かく湿った息がかかった。

 男がすぐそばにいる。

 息遣いが近づき、彼女の耳元でかすかに聞こえる──。

 ゾワリと背筋が寒くなり、身体が硬直した。次の瞬間、男の唇が彼女の唇に重ねられた。柔らかく熱い感触が押し付けられ、彼女の息が一瞬止まる。

「ん……っ……んん……!?」

 彼女はほぼ無意識に、首を振って抵抗した。

 唇を固く閉じ、男の侵入を拒む。

 だが、男の手が彼女の顎を掴み、無理やり固定する。唇がさらに強く押し付けられ、彼女の拒絶を無視して奪おうとする。

(いやぁ……いや!……いや!)

 恐怖と嫌悪が胸を締め付け、彼女は必死に顔をそらそうとした。



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