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第8章 オークションの舞台裏

するとミサは皮肉混じりに答えていく。

「貴方もその『大人』の一人よ。もしアイドルが、海外のダンサーのような、ダボダボの服やズボンでキレキレのダンスを踊ってたらどう思う？」

「えっ？ダンスが上手いなぁ。って思うかな……」

「そう。それはスポーツ選手を見るのと同じ。
可愛いから好き。という気持ちにならない。
結局アイドルは、スカートをひらひらさせたり、露出度の高い衣装を着たりして、男の目を引く工夫がされてる。
貴方も潜在的に性的な目で見てるってことよ」

「そ、そんなことないって……顔も含めてトータルで可愛いな？って思うだけで……」

「はいはい。でもそれがこいつら悪の事務所側の策略なのよ。
アイドルの顔が可愛い。ってのは、ミリ単位の決まったメイクを、教え込まれてるんだから。
その作られた商品にお金を使う貴方みたいなのが、また新たな汚い大人を生んでいくのよ……」

今、地下アイドルは1000組5000人ほど。と言われている。
人知れず、普通の女の子がアイドルとして生まれ変わり、人知れず業界から去っていくのだ。
そしてアイドルオタクが経営している。と思われるグループが、かなり多い。
中には音楽プロデューサーや元売れっ子ホスト等もいるが。

智樹は、そんな汚い大人達の策略にハマっていた事を知って、情けない気持ちでいっぱいだった。