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白昼夢
第10章 エピローグ
「真理子、思い切ったわね、でも、とても似合うと思うよ…」
「ええ、気分を変えたかったのよ…」
「いいと思うよ…」
「これで、何だか気持ちの整理がついた様に感じるの…」
「うん、うん…真理子は60歳にはまだまだ見えないよ…」
「そう?」
「うん、そう感じるよ…」
「私、まだイケるかしら…」
「まだまだ、イケるよ…」
「何だか、自信が付いたように思うわ…」
「自信持って生きなよ…」
「そうね、自信を持つわ…」
私はこの会話の後、本当に自信を取り戻したのだった。
それは、古川のお陰だと心から思っている。
古川とはワンナイトだったかもしれない。
でも、そのワンナイトで私は自分の自信を取り戻せたのだ。
でも、あの日の出来事は本当に白昼夢の様だったと思っている。
私はこれから先、誰かと恋愛をするだろう。
その相手は誰だかまだ分からない。
今はその誰だか分からない人と出逢えることを待っている。
古川が私を女に戻してくれて、また女としての喜びを呼び覚ましてくれたのだ。
心から感謝している。
私は、前に進むことに決めたのだった。
(おわり)

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