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白昼夢
第6章 ピザ
私は支払いをする為に自分の財布をダイニングテーブルに置いた。
そして、新札の事で古川にこう言ったのだ。
「古川さん、新札はもう見た?」
「え?俺、まだ見てない…」
「渋沢栄一さんなら今あるわよ、見る?」
「うん、見たい…」
私は、自分の財布から新1万円札を取り出し手渡した。
そしてこう言ったのだ。
「でもね、渋沢栄一って大の女ったらしだったらしいわよ…」
「えー?マジで?」
「そう言われてるわ…」
私はそう言うと笑って見せる。
そして続けてこう言った。
「その次に、女ったらしって言われてるのは野口英世なんだって…」
「えー?マジで?」
「そうよ、そして、一番の女ったらしは誰だか知ってる?」
「えー?分かんないよ…」
「とんちで有名な一休和尚なのよ…」
「マジで?」
「うん、マジで…」
そう言うと古川と私は大笑いをしてしまった。
古川がこう言ってくる。
「やっぱりさ、世に名を遺す人って皆どこか変わってるんだよ…」

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