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白昼夢
第5章 訪問
私は、ちょっと表通りに車を案内してその表通りに面してあるパーキングを案内した。
普段、平日ならば満車であるパーキングはガラガラに空いていたのだ。
そのパーキングの3番の所に古川は車を入れて停めた。
車を停めると古川は私にあるものを手渡してきた。
「はい、お茶買ってきたから飲んで…」
「ありがとう…」
古川の横顔を見ると本当に俳優の板垣李光人に似ていると感じてしまうのだった。
私は車を降りて古川を待っていた。
古川は車から降りると私の横に立つと歩き始める。
「次からはここに車止めようっと…」
それを聞いて私は次回も来るのだろうか。
そう、思ってしまった。
パーキングから私の自宅まで少しだけ歩くのだ。
その道すがら何気ないお喋りをしたように思う。
「本当に、ここら辺て何もない所なんだね?」
「そうよ、コンビニも近所にはないしね…」
古川はとても物珍しそうにご近所を見ている様だった。
私の近所には、とある会社の社員寮がある。
その建物はちょっと大きくてお洒落な感じがする建物だった。
その横を通り過ぎようとした時だ。
「ここの横の建物ってマンションなの?」
「いえ、違うわ、社員寮よ…」
「そーなんだ、マンションかと思った…」

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