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天狐あやかし秘譚
第43章 陰謀詭計(いんぼうきけい)
口から入った触手の先からじゅぶじゅぶとなにか生暖かい液体が溢れ出し、喉奥に張り付きながら胃の腑に落ちるのがわかる。酒を飲んだ時、喉から胃の腑にかけて灼けるように感じる。それと同じようだが、こちらの方がもっと・・・悍ましい感じがする。

何か・・・私に・・何かが入ってくる!

口からの得体のしれない何かの侵入を受けているのとは別に、下半身の侵食も進んでいった。腹の周りをうねっていた何本ものぬらぬらが合わさった足をこじ開け、女の芯に触れようとしていた。また、後ろに回ったものが、不浄の穴を弄り始めた。

ここに来て、やっと斐川は、この触手たちの目的を悟ることになる。

私を・・・犯す気だ・・・。
抵抗しなければ・・・

そう思ったが、『動くな』という命を勝手に破るわけにはいかない。
もしかしたら、今、自分が動いたことで、疱瘡神が堂から逃げ去り、封印ができなくなるかもしれない。そして、それにより、また何千人もの罪なき人が死ぬことになる。

私一人が耐えればいいのなら・・・。
その一心で、斐川は耐え続けた。

グネグネとうねる腕が乳房をもみあげ、乳首を弄ぶ。
女の芯を舐めるように転がし、その下の割れ目にまで分け入ろうとしてきた。
不浄の穴の入口もぬるぬるとした粘液質の汁がこすりつけられ、嬲られ、押し広げられ、今やその入口まで入りこまれてしまっていた。

『ふうう!ぐう!・・・ふーぅっ・・ふ・・ふっ、ふっ、ふっぐう』

今までの人生で味わったことのない性感が体中から送り込まれてくる。気持ち悪いはずなのに、体の芯が痺れて、熱く火照りだす。いつしかもじもじと腰が動き、さらなる快楽を求めるかのように、足が自然と開いていってしまう。

動いては・・・いけないのに!

口に押し入っているモノのお陰で声を上げることこそなかったが、それがなければ淫靡な嬌声を撒き散らしていたに違いない。それほどに体の芯が蕩け、ゾクゾクと背中を這い上がる快感が脳髄を揺さぶっていた。

ダメ!・・・こらえ・・・きれないぃ・・・
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