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天狐あやかし秘譚
第35章 真実一路(しんじついちろ)

環が私に気づいたのか、声を上げる。その声に反応し、女がまたジャラリと鎖を締め上げた。
「おっと!余計なこと言うんじゃないよ?環ちゃん・・・。お前はこれから地獄行きだ」
その言葉に耳を疑う。地獄!?
なんで?環が・・・!?
「やめて!なんで?・・・あなた、何者なの!?環が何をしたっていうの?」
声は出る。身体は動かないが、声は出るのだ。私は必死に声を上げた。
「何したって!?地獄に行くんだ、悪事を働いたに決まってるさ。この、環ちゃんはねぇ・・・お母さんを苦しめて苦しめて・・・死にたい気持ちにまで追い込んでんだ・・・。こんな悪い子はいないね。地獄!地獄行きだよ!」
ぐいっと女が引っ張る。鎖が引っ張られ、その痛みで環が悲鳴をあげた。
「なんで・・・なんでよ・・・。違う・・・環の・・・環の生命を終わらせたのは私の責任・・・地獄なら、私が行く。環は・・・悪くない!だから・・・お願い・・・環にひどいことしないで!環を連れてかないで!」
私は、必死に叫んだ。
あなたが何者か知らない・・・でも、お願い・・・環を放して!
「無理だね!さあ!時間切れだ・・・月が登るまでに地獄の門をくぐらにゃいかん・・・。最後に一応確認してよかった。あんだけ母親が後悔してりゃあ、地獄行き、決定だ」
はっはっは・・・女はグイグイと鎖を引く。環は抵抗する力もなくしてしまったのか、ぐったりして引きずられるがままになってしまっている。
なんとか・・・なんとかしないと・・・。
「どうすれば・・・」
私はすすり泣きながら、声を上げた。女はさも面倒そうに、低い声をあげる。
「なんだ・・・あ?まだ用があるのか?」
進もうとする女になおも追いすがるように私は言った。
「どうすれば・・・環を助けられるんですか?」
その言葉を聞いて、ピタリと女は足を止める。そして、ベール越しに私を見やる。その奥の顔がにやり、と笑った気がした。
「へえ・・・そうかい、そうやって素直に教えを請うなら、ひとつチャンスをやろうじゃないか。・・・そうさなあ・・・これから私が質問をするから、よく考えてみろ。見事、正解したら、こいつを地獄に送るのは・・・よしてやってもいい」
質問?なんだろう?
でも、それしかないなら・・・。
「お願いです。チャンスを下さい・・・」
私は頭を下げた。
「おっと!余計なこと言うんじゃないよ?環ちゃん・・・。お前はこれから地獄行きだ」
その言葉に耳を疑う。地獄!?
なんで?環が・・・!?
「やめて!なんで?・・・あなた、何者なの!?環が何をしたっていうの?」
声は出る。身体は動かないが、声は出るのだ。私は必死に声を上げた。
「何したって!?地獄に行くんだ、悪事を働いたに決まってるさ。この、環ちゃんはねぇ・・・お母さんを苦しめて苦しめて・・・死にたい気持ちにまで追い込んでんだ・・・。こんな悪い子はいないね。地獄!地獄行きだよ!」
ぐいっと女が引っ張る。鎖が引っ張られ、その痛みで環が悲鳴をあげた。
「なんで・・・なんでよ・・・。違う・・・環の・・・環の生命を終わらせたのは私の責任・・・地獄なら、私が行く。環は・・・悪くない!だから・・・お願い・・・環にひどいことしないで!環を連れてかないで!」
私は、必死に叫んだ。
あなたが何者か知らない・・・でも、お願い・・・環を放して!
「無理だね!さあ!時間切れだ・・・月が登るまでに地獄の門をくぐらにゃいかん・・・。最後に一応確認してよかった。あんだけ母親が後悔してりゃあ、地獄行き、決定だ」
はっはっは・・・女はグイグイと鎖を引く。環は抵抗する力もなくしてしまったのか、ぐったりして引きずられるがままになってしまっている。
なんとか・・・なんとかしないと・・・。
「どうすれば・・・」
私はすすり泣きながら、声を上げた。女はさも面倒そうに、低い声をあげる。
「なんだ・・・あ?まだ用があるのか?」
進もうとする女になおも追いすがるように私は言った。
「どうすれば・・・環を助けられるんですか?」
その言葉を聞いて、ピタリと女は足を止める。そして、ベール越しに私を見やる。その奥の顔がにやり、と笑った気がした。
「へえ・・・そうかい、そうやって素直に教えを請うなら、ひとつチャンスをやろうじゃないか。・・・そうさなあ・・・これから私が質問をするから、よく考えてみろ。見事、正解したら、こいつを地獄に送るのは・・・よしてやってもいい」
質問?なんだろう?
でも、それしかないなら・・・。
「お願いです。チャンスを下さい・・・」
私は頭を下げた。

