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天狐あやかし秘譚
第34章 【第9話 姑獲鳥】報恩謝徳(ほうおんしゃとく)

「綾音よ・・・我もついていく必要があるのか?」
ちょっとかがんだ私の頭の上からダリも同様に様子をうかがいながら、不満げに言う。
だって、『あやかしの気配』なんて、あなたが言うから!
「ね・・・念の為よ」
「あの紙には確かにあやかしというか、妙な気配があるが・・・特に強いものでも悪いものでもないぞ・・・」
まあ、言葉を切ったところを見ると、そんなに害のあるものではないんだろうな・・・と思いつつも、この間の清香ちゃんの例もある。芝三郎が変なあやかしに目をつけられて・・・ということも考えられるわけだ。
そのとき、ダリがいないと、困る。
「お願い・・・万が一のために、ついてきて・・・」
このなんの気なしの言葉に、ダリがふっと笑みをこぼしたことに、この時の私は気づいていなかった。
そんなこんなで、スパイよろしく芝三郎のあとをつけてきたわけであるが、彼が向かっていたのはどうやら区民センターの下にある、いわゆる児童館のようである。ここでは児童プラザと呼んでいるようだ。
なんだ・・・ただ、遊びに行きたいだけだったのか・・・。
そう思いかけた時、私は目を見開いてしまった。
!?
芝三郎がちっちゃかわいい女の子に手を振りながら駆け寄っていってるではないか!
女の子は小学校1年生くらいだろうか、ミルクチョコみたいな色のスカートにオフホワイトのパーカーを着て、愛らしい顔立ちをしている。遠目にも仲が良さそうな雰囲気が伝わってくる。
そして・・・
なんと!
二人仲良く手を繋いで児童プラザの自動ドアをくぐっていってるのである。
・・・芝三郎も隅に置けない。
いつの間に、あんなに可愛らしい彼女を見つけ・・・
そう思いかけたときに、ダリが口を開いた。
「あの者・・・」
その言葉を聞いて、私は蒼然となってしまった。
ちょっとかがんだ私の頭の上からダリも同様に様子をうかがいながら、不満げに言う。
だって、『あやかしの気配』なんて、あなたが言うから!
「ね・・・念の為よ」
「あの紙には確かにあやかしというか、妙な気配があるが・・・特に強いものでも悪いものでもないぞ・・・」
まあ、言葉を切ったところを見ると、そんなに害のあるものではないんだろうな・・・と思いつつも、この間の清香ちゃんの例もある。芝三郎が変なあやかしに目をつけられて・・・ということも考えられるわけだ。
そのとき、ダリがいないと、困る。
「お願い・・・万が一のために、ついてきて・・・」
このなんの気なしの言葉に、ダリがふっと笑みをこぼしたことに、この時の私は気づいていなかった。
そんなこんなで、スパイよろしく芝三郎のあとをつけてきたわけであるが、彼が向かっていたのはどうやら区民センターの下にある、いわゆる児童館のようである。ここでは児童プラザと呼んでいるようだ。
なんだ・・・ただ、遊びに行きたいだけだったのか・・・。
そう思いかけた時、私は目を見開いてしまった。
!?
芝三郎がちっちゃかわいい女の子に手を振りながら駆け寄っていってるではないか!
女の子は小学校1年生くらいだろうか、ミルクチョコみたいな色のスカートにオフホワイトのパーカーを着て、愛らしい顔立ちをしている。遠目にも仲が良さそうな雰囲気が伝わってくる。
そして・・・
なんと!
二人仲良く手を繋いで児童プラザの自動ドアをくぐっていってるのである。
・・・芝三郎も隅に置けない。
いつの間に、あんなに可愛らしい彼女を見つけ・・・
そう思いかけたときに、ダリが口を開いた。
「あの者・・・」
その言葉を聞いて、私は蒼然となってしまった。

