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天狐あやかし秘譚
第29章 正真正銘(しょうしんしょうめい)

☆☆☆
ああは言ったけど・・・。
私はちらっと後ろからものすごい雄叫びを上げて追ってくる目がイッちゃってる圭介を見て若干後悔する。
こ・・・怖いよー!
力が増大し、理性がぶっ飛んでいるのか、よだれを撒き散らしながら鬼神のごとく形相で追いすがってくる。宝生前の術で一瞬出遅れたとは言え、そのスピードは並の人間より早い。
私も必死に逃げるが、あっという間に追いつかれる!!
だけど、私にも一応考えがあった。あそこまでなんとか・・・。
私は小学校の徒競走以来の全力疾走をかまし、なんとか目標地点まで到達、そこを『通り過ぎた』。
よし!今だ!
そのまま振り返らずに呪言を奏上する。
「ち・・・中央! 黄龍 思慮 打ち締めよ!!」
追いすがってくる圭介と、私が通り過ぎた地面にあらかじめ打ち付けてあった石釘、そして私が一直線に並んだ、その一瞬、私の呪言が石釘に秘められた霊力を解放する。
石釘がぶううんと奇妙な音を立ててゆらぎ、そこから扇状に圭介に向かって衝撃波が襲いかかった。
「があっ!」
圭介が衝撃に当てられ、のけぞった。その両の眼球が上転する。
やったか!?
一瞬、硬直したように立ち止まり、口を開け全身を戦慄かせつつ、天を仰ぐような形になるが・・・。
「貴様も妙な術を!!!」
あああ!すぐに意識を取り戻したああ!!!
ダメだ、やっぱりなんとかいう神様の宝で身体が強化されているから、普通の人ならあっさり昏倒するような石釘の術でも耐えてしまう。
ええい!じゃあ、もう一発!
私は手元にある残りの釘3本を地面に叩きつけるように突き刺す。
「これでもくらえ!
中央 黄龍 思慮 打ち締めよ!!」
3本の釘が奇妙に共鳴し、更に強い衝撃波を前方に放つ。さっきの3倍の威力だ!どうだ!!
「しゃらくさい!」
圭介は一言吠えると、地面を右足で思いっきり踏みしめる。
ああは言ったけど・・・。
私はちらっと後ろからものすごい雄叫びを上げて追ってくる目がイッちゃってる圭介を見て若干後悔する。
こ・・・怖いよー!
力が増大し、理性がぶっ飛んでいるのか、よだれを撒き散らしながら鬼神のごとく形相で追いすがってくる。宝生前の術で一瞬出遅れたとは言え、そのスピードは並の人間より早い。
私も必死に逃げるが、あっという間に追いつかれる!!
だけど、私にも一応考えがあった。あそこまでなんとか・・・。
私は小学校の徒競走以来の全力疾走をかまし、なんとか目標地点まで到達、そこを『通り過ぎた』。
よし!今だ!
そのまま振り返らずに呪言を奏上する。
「ち・・・中央! 黄龍 思慮 打ち締めよ!!」
追いすがってくる圭介と、私が通り過ぎた地面にあらかじめ打ち付けてあった石釘、そして私が一直線に並んだ、その一瞬、私の呪言が石釘に秘められた霊力を解放する。
石釘がぶううんと奇妙な音を立ててゆらぎ、そこから扇状に圭介に向かって衝撃波が襲いかかった。
「があっ!」
圭介が衝撃に当てられ、のけぞった。その両の眼球が上転する。
やったか!?
一瞬、硬直したように立ち止まり、口を開け全身を戦慄かせつつ、天を仰ぐような形になるが・・・。
「貴様も妙な術を!!!」
あああ!すぐに意識を取り戻したああ!!!
ダメだ、やっぱりなんとかいう神様の宝で身体が強化されているから、普通の人ならあっさり昏倒するような石釘の術でも耐えてしまう。
ええい!じゃあ、もう一発!
私は手元にある残りの釘3本を地面に叩きつけるように突き刺す。
「これでもくらえ!
中央 黄龍 思慮 打ち締めよ!!」
3本の釘が奇妙に共鳴し、更に強い衝撃波を前方に放つ。さっきの3倍の威力だ!どうだ!!
「しゃらくさい!」
圭介は一言吠えると、地面を右足で思いっきり踏みしめる。

