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天狐あやかし秘譚
第93章 【第18話:菊理媛】先用後利(せんようこうり)
私の感覚を信じれば、たしかに彼女のまとっている雰囲気は神のそれだ。
神はその姿を見せたい人にしか見えるようにしないと聞いている。
そして今、この神は私にその姿を見せることを選んでいる・・・つまり、私に用があるということなのだ。
「た・・・助かりました。ありがとうございます。」
ちょこちょこと走ってきて、私の前でペコリと頭を下げる。ぷくぷくとしたほっぺの愛らしい顔をしている。
人間の年で言うと、大体小学校3年生くらい?に見える。
もちろん、神だとすると数千年生きているレベルだとは思うが。
助かりました、ということは、私に姿を見せたのは自身を助けてほしいからだったということなのだろう。一体あなたはどなたなのですか?と尋ねると、幼女神はニッコリと笑って首を傾げた。
「はい!私は、ククリヒメ・・・菊理媛命(くくりひめのみこと)と申します」
もう一度ペコリと頭を下げた幼女神の名を聞いて、私は度肝を抜かれた。
菊理媛(くくりひめ)・・・っ!
「想い合う二人の男女が喧嘩をなさっていたので止めようとしたのですが・・・やっぱりうまくいかなくて・・・貴女様のお陰で、やっと仲を取り持つことができました」
そう言って、にこりと笑った神は神話の時代、イザナギとイザナミの夫婦仲を取り持ったという日本最古の『仲裁の神様』であった。
こ・・・これは!?
私の中の研究心がムラムラと燃え上がってくる。
見たい、聞きたい、知りたい・・・っ!
色々教えてほしいのです!!
イザナミとイザナギがどんな神であったのか、日本書紀と古事記の記載の違いは一体どういう理由で生まれたのか、創生二神以前の国はどういった様子だったのか・・・ああ!聞きたいことが目白押しなのです!
頭の中に渦を巻いたアレコレが私の口から飛び出す前に、菊理媛が口を開く。
「もしよろしければ、今日の日のお礼に、ひとつだけ、貴女様のお願いを叶えることといたしましょう」
え・・・?
ひとつ・・・だけ?
目の前の神様はにこにことしたほほ笑みを浮かべている。
たしかによく見ると神々しい光に包まれており、本当の『神』だということがよく分かる。
でも、でも・・・ひとつだけ?
質問も一個しかダメ?
な、何を聞くべきか・・・
神はその姿を見せたい人にしか見えるようにしないと聞いている。
そして今、この神は私にその姿を見せることを選んでいる・・・つまり、私に用があるということなのだ。
「た・・・助かりました。ありがとうございます。」
ちょこちょこと走ってきて、私の前でペコリと頭を下げる。ぷくぷくとしたほっぺの愛らしい顔をしている。
人間の年で言うと、大体小学校3年生くらい?に見える。
もちろん、神だとすると数千年生きているレベルだとは思うが。
助かりました、ということは、私に姿を見せたのは自身を助けてほしいからだったということなのだろう。一体あなたはどなたなのですか?と尋ねると、幼女神はニッコリと笑って首を傾げた。
「はい!私は、ククリヒメ・・・菊理媛命(くくりひめのみこと)と申します」
もう一度ペコリと頭を下げた幼女神の名を聞いて、私は度肝を抜かれた。
菊理媛(くくりひめ)・・・っ!
「想い合う二人の男女が喧嘩をなさっていたので止めようとしたのですが・・・やっぱりうまくいかなくて・・・貴女様のお陰で、やっと仲を取り持つことができました」
そう言って、にこりと笑った神は神話の時代、イザナギとイザナミの夫婦仲を取り持ったという日本最古の『仲裁の神様』であった。
こ・・・これは!?
私の中の研究心がムラムラと燃え上がってくる。
見たい、聞きたい、知りたい・・・っ!
色々教えてほしいのです!!
イザナミとイザナギがどんな神であったのか、日本書紀と古事記の記載の違いは一体どういう理由で生まれたのか、創生二神以前の国はどういった様子だったのか・・・ああ!聞きたいことが目白押しなのです!
頭の中に渦を巻いたアレコレが私の口から飛び出す前に、菊理媛が口を開く。
「もしよろしければ、今日の日のお礼に、ひとつだけ、貴女様のお願いを叶えることといたしましょう」
え・・・?
ひとつ・・・だけ?
目の前の神様はにこにことしたほほ笑みを浮かべている。
たしかによく見ると神々しい光に包まれており、本当の『神』だということがよく分かる。
でも、でも・・・ひとつだけ?
質問も一個しかダメ?
な、何を聞くべきか・・・

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