この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第88章 昼想夜夢(ちゅうそうやむ)
☆☆☆
【同時刻 仙台市にて】

「ああ、そいつな・・・この辺じゃ有名なナンパ師だったよ・・・なんかおっ死んじまったみたいだけどな」

ペラリと写真を見せられた男が、機嫌良さそうに応える。それもそうだろう。彼は御九里の驕りで、すでに2杯ものバーボンにありついていた。

「ん?他にか・・・そうだな・・・誰に聞いたとは言えねえがな、俺が聞いた話だけど・・・その死体を最初に発見したのって、実はラブホの店員じゃねえんだってさ」

「ん?誰か気になる?・・・そりゃお前・・・こりゃ特選ネタだぜ?ただってわけにゃ・・・」

言った男のヨレヨレのワイシャツの胸ポケットに、御九里が黙って一万円札数枚を突っ込む。

「ん、ああ・・・そうだな。大輔ってやつ・・・金地大輔、ま、正確にはその友達ってのも2人いたみたいだけど、そいつが奥田に呼ばれてホテルに行ったってさ。んで、扉開けてどっひゃーってわけ。でも、こいつさ、自分巻き込まれるの嫌だからってラブホの店員に金掴ませて防犯カメラの映像とか誤魔化してもらって、トンズラしたって話・・・これな、警察も掴んでいねえネタなわけよ。え?なんでそんなことしたかって?まあ、ほれ、ラブホに女と一緒に入った男が友達呼ぶってったら・・・よろしくねえこと考えてたんじゃね?それで、だな・・・。ああ、・・・ま、俺が知ってるのはこんなもんだ」

ケタケタと笑って男は杯を煽る。そして、御九里に尋ねもせずに、もういっぱい注文していた。

「え?ヤサ?知らねえな・・・あ、ヤマさんなら知ってっかな?ん?ああ、いいぜ、紹介してやるよ・・・ああ、だけどな・・・?」

男が皆まで言う前に、御九里は更に一万円札を胸ポケットに突っ込んだ。気を良くした男はメモ帳に電話番号を走り書きしてちぎってよこす。

「ほれ、ここだ。こいつに電話して、仙北新聞の喜多川の紹介って言やあ、まあ、悪いようにはならねえよ。後はうまくやるんだな・・・って、なんだ、もう行くのか?」

ガタン、と御九里は黙って席を立つ。そのままポケットに手をつっこみ、薄暗いバーを後にした。
/1348ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ