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天狐あやかし秘譚
第88章 昼想夜夢(ちゅうそうやむ)
日暮がせっついたこともあり、その日の昼前には全員が出発準備を整えることができた。そして、今まさに陰陽寮本庁を出ようとしているところで、捜索隊のリーダーたる日暮が、くるりと九条、田久保に向かい、深く、頭を下げた。
「今回の件は、わからないことだらけです。危険が伴うかもしれません。特に、戦闘経験がない田久保さんには不安な思いをさせるかもしれません。」
しかし!と続ける。
「御九里さんは・・・御九里さんは、非常に大切な陰陽寮のスタッフであり、かけがえのない仲間です!もしかしたら、たった今、私達がこうしている間にも、危ない目にあっているのかもしれない!私達の助けを待っているかもしれない!そう思うと、私の胸は張り裂けそうに・・・いや、それはいいのですが。えっと、とにかく!・・・だから・・・だから・・・皆さん!ぜひ、ぜひにご協力をお願いします!!」
ぐっと拳を握る。
「みんなで力を合わせて!!御九里さんを救出しましょう!!!」
そうして、田久保と九条の手を握ってぶんぶんと上下に激しく振った。田久保は苦笑いを浮かべ、九条はあからさまに愛想笑いをしている。
そんな三人の姿を、柱の陰から、土門がにやにやとした表情で眺めていた。
「今回の件は、わからないことだらけです。危険が伴うかもしれません。特に、戦闘経験がない田久保さんには不安な思いをさせるかもしれません。」
しかし!と続ける。
「御九里さんは・・・御九里さんは、非常に大切な陰陽寮のスタッフであり、かけがえのない仲間です!もしかしたら、たった今、私達がこうしている間にも、危ない目にあっているのかもしれない!私達の助けを待っているかもしれない!そう思うと、私の胸は張り裂けそうに・・・いや、それはいいのですが。えっと、とにかく!・・・だから・・・だから・・・皆さん!ぜひ、ぜひにご協力をお願いします!!」
ぐっと拳を握る。
「みんなで力を合わせて!!御九里さんを救出しましょう!!!」
そうして、田久保と九条の手を握ってぶんぶんと上下に激しく振った。田久保は苦笑いを浮かべ、九条はあからさまに愛想笑いをしている。
そんな三人の姿を、柱の陰から、土門がにやにやとした表情で眺めていた。

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