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unbalance
第34章 歯磨き
相馬の息が熱くかかる。
私のおなかがきゅんと締まる。
相馬のシャツをぎゅっと握ると、相馬が私を抱き締める手にも力が入った。
だめ、相馬、もっと……っ。
だめなのに。
今日は相馬にいっぱい寝てもらうんだと思ってたのに。
キスまで、って決めてたのに――もっと、
はっと相馬が息を吐いて、唇を離した。
「……ごめん、寝るんだったね」
「……あ……」
……やだ、なんて、言えない。
相馬は、寝るんだ。
引き止めちゃいけない。
相馬の睡眠を削った、張本人である私が。
「……うん」
相馬が元の位置に戻る。
ブランケットを二人のおなかに掛け直して、私に向こうを向かせて、後ろから抱き締める。
体に取り残された熱がもどかしい。
「霧野、この土日の予定は?」
「あ、えっと……日曜日に友だちとランチに行く予定」
「じゃあ、明日の夜までは俺が拘束しててもいい?」
拘束、なんて言いかたしなくていいのに。
「……うん、」

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