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unbalance
第30章 個室
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私にやってきたカクテルは、足の高いグラスに入った透き通る赤いカクテルだった。
どう見ても大人の飲みもので、可憐で綺麗。
――私に似合わず。
相馬のビールも、さっきまでの会食で出てきたジョッキとは違う、スマートなグラスに入っていて、それだけで、ビールなのにお洒落に見えた。
何か知らないクラフトビールらしく、だったら私もビールでもよかったかも。
相馬が自分のグラスを私のグラスに優しく当て、
「お疲れ」
と言った。
「お疲れ」
私もそう返してグラスを手に取ろうとすると、相馬が待ったをかけた。
「飲む前に、一瞬だけ」
自分もコースターにグラスを戻し、両手を体の前で組む。
「その……今までいろいろごめん。あと、好きです」
………!?

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