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淫夢売ります
第31章 白の花園:開く扉

☆☆☆
「あーあ・・・消えちゃった・・・それで満足なの?それが、あなたの欲望だったの?」
深夜の夢占モルフェ。
ビロードのクロスのかかったテーブルの上で、くるくるとカードを弄ぶ女主人がポツリと言った。
「やっぱり、最初から、消えるつもりだったのね・・・」
ユメノは思い出していた。先日、『思い出せない夢の夢占いをしてくれ』などという無茶な依頼をしてきた女性のことを。
催眠に導入すると、女性の深層心理から、もう一人の人格が現れた。
彼女は自分の名を「ユミ」と名乗った。
曰く、自分は裕美をずっと、ずっと、守ってきた。
曰く、裕美の悪夢の原因はわかってる。でも、今すぐに裕美にその夢を見せるわけにはいかない。
そして、彼女は言ったのだ。
「私の欲望を叶えてくれるなら、夢を買いたい」
と。
彼女が選んだのがこれ、『草原に立つ扉を開こうとしている女性』のカード。真実の発見を意味している。
そして、ユミの思惑通り、ユミの力を借りて、裕美は、これまでどうしても入り込めなかった、自分の心の中のトラウマ記憶である『白の花園』に入ることができ、そこで何が起こったかを思い出すことができた。
自分の真の性的指向を思い出して、それを自分で受け入れることができたのだ。
「自分の性的指向をちゃんと理解すれば、この後、彼女は良いパートナーに巡り会えるかもしれないわね・・・」
少なくとも、男性と付き合おうとは思わないだろう。
それは、彼女にとって、幸せの一歩に違いない。
だけど、その代償として、彼女のトラウマから生まれたもう一つの人格『ユミ』は、主人格の「裕美」に吸収されて、消えてしまった・・・というわけだ。
おそらくユミは、裕美が真実を発見したら、自分が消えてしまうことがわかっていたのだろう。だけど、それでも、ユミは裕美の願いを叶えることを優先した・・・。
彼女の『幸せになりたい』という気持ちを叶えることを、何よりも大事にしたのだ。
あーあ・・・もうちょっと、二人の甘いエッチ・・・食べたかったんだけどなあ。
「ま、いいわ。お代の分の欲望は、ちゃんといただいたしね・・・」
そう言うと、ユメノは手にしたカードを、『使用済み』と書かれた引き出しに放り込んだ。
「あーあ・・・消えちゃった・・・それで満足なの?それが、あなたの欲望だったの?」
深夜の夢占モルフェ。
ビロードのクロスのかかったテーブルの上で、くるくるとカードを弄ぶ女主人がポツリと言った。
「やっぱり、最初から、消えるつもりだったのね・・・」
ユメノは思い出していた。先日、『思い出せない夢の夢占いをしてくれ』などという無茶な依頼をしてきた女性のことを。
催眠に導入すると、女性の深層心理から、もう一人の人格が現れた。
彼女は自分の名を「ユミ」と名乗った。
曰く、自分は裕美をずっと、ずっと、守ってきた。
曰く、裕美の悪夢の原因はわかってる。でも、今すぐに裕美にその夢を見せるわけにはいかない。
そして、彼女は言ったのだ。
「私の欲望を叶えてくれるなら、夢を買いたい」
と。
彼女が選んだのがこれ、『草原に立つ扉を開こうとしている女性』のカード。真実の発見を意味している。
そして、ユミの思惑通り、ユミの力を借りて、裕美は、これまでどうしても入り込めなかった、自分の心の中のトラウマ記憶である『白の花園』に入ることができ、そこで何が起こったかを思い出すことができた。
自分の真の性的指向を思い出して、それを自分で受け入れることができたのだ。
「自分の性的指向をちゃんと理解すれば、この後、彼女は良いパートナーに巡り会えるかもしれないわね・・・」
少なくとも、男性と付き合おうとは思わないだろう。
それは、彼女にとって、幸せの一歩に違いない。
だけど、その代償として、彼女のトラウマから生まれたもう一つの人格『ユミ』は、主人格の「裕美」に吸収されて、消えてしまった・・・というわけだ。
おそらくユミは、裕美が真実を発見したら、自分が消えてしまうことがわかっていたのだろう。だけど、それでも、ユミは裕美の願いを叶えることを優先した・・・。
彼女の『幸せになりたい』という気持ちを叶えることを、何よりも大事にしたのだ。
あーあ・・・もうちょっと、二人の甘いエッチ・・・食べたかったんだけどなあ。
「ま、いいわ。お代の分の欲望は、ちゃんといただいたしね・・・」
そう言うと、ユメノは手にしたカードを、『使用済み』と書かれた引き出しに放り込んだ。

